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新型コロナウイルスのせいで内定が取り消された、試用期間後の本採用拒否される人が増加

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2020年8月、中国の武漢で発生した新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。

ゴールデンウイーク前に緊急事態宣言が出ましたが、今ではその頃の新規感染者数を連日のように更新しており、政府は成す術なく傍観している状況です。

政府は再び緊急事態宣言を出していませんが、都道府県別に独自の緊急事態宣言が出たり、不要不急の外出をしないように呼びかけています。

自粛モードの影響は大きく、街を歩けばテナント募集の看板も目立つようになってきました。

 

新型コロナウイルスの影響を大きく受けている一つが仕事に関することであり、雇用に関することです。

特に非正規雇用は解雇や雇い止めにあったり、自営業者の中には収入がゼロになった人も少なくありません。

 

新型コロナウイルスが日本で確認されたのは今年に入ってからですが、その間に大学を卒業した人はそのまま新社会人となっています。

本来であれば4月から新社会人となるはずですが、コロナウイルスの終息が見通せないために内定が取り消される新社会人が出ており問題になっています。

また、試用期間の名目で採用された人の中には、コロナウイルスの感染者が再び増加したことを受けて、試用期間満了後に本採用を拒否されるケースも出ています。

 

内定とは

内定というのは、企業側が新卒者や中途採用候補者に対して、採用内定通知書を出して通知するなど、卒業前や入社前に採用を決定することです。

労働契約は、企業側と応募者の合意によって契約が成立するとされています。

新卒者や中途採用といった候補者は、求人を見て応募するのが一般的ですが、応募することが契約に申し込むことになり、企業は内定通知を出すことが承諾したことになります。

 

労働契約の効力発生日までは、企業は内定を取り消す権利があるとされ、内定は解約権留保付労働契約と呼ばれます。

解約権留保付きの労働契約が成立した内定者は、他社への就職の機会を放棄しなければならない立場にあります。

そのような弱い立場の内定者なので、いったん内定を出した企業はそう簡単には内定を取り消すことはできないことになっています。

 

内定の取り消しをめぐっては、内定の取り消しをされた人から過去に何度も訴えが起こされています。

 

内定について争われた判例

大日本印刷事件(最判昭和54年7月20日)では「就労始期付労働契約」、電電公社近畿電通局事件(最判昭和55年5月30日)では「効力始期付労働契約」と判断されています。

 

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内定の取り消しの要件

内定者は、他社への就業機会を放棄した立場にあるので、企業は内定をみだりに取り消すことは許されず、企業が内定を取り消すには解雇に準じた基準を満たさなければなりません。

 

一般的に解雇が認められるためには、解雇が客観的で合理的な理由が必要で、社会通念上相当として是認されなければならず、認められない場合は権利を濫用したものとして無効となります。

内定の取り消しが認められるには、内定段階では会社が知ることが出来ず、知ることが期待されないような事実が判明したときに限定されるとされます。

 

内定の取り消しが認められた例としては以下のものがあります。

・学校が卒業できない

・経歴詐称

・健康状態に重大な欠陥

・不祥事

・経営状態の悪化

 

企業は、新規学卒者の内定期間に内定取り消しや内定期間を延長するときは、公共職業安定所への報告が必要とされます。

内定の取り消し等が、2年以上続けて行われたり、10名以上に対して行われたり、事業活動の縮小がないのにもかかわらず行われたり、内定取り消し者に十分な説明をしなかった、内定取り消し者へ就職支援を行わなかった、といった場合は企業名を公表されることもあります。

 

試用期間について

試用期間とは、採用候補者の適正を見るために試しに雇用される期間をいいます。

 

試用期間は、通常の労働契約よりも解雇が認められやすいことから、企業の作成する労働条件通知書や就業規則には、試用期間についての記載が必要とされます。

試用期間の期間は、3か月から6か月程度の期間を設けるケースが多いのですが、法律上は決まりはありません。

 

ただし、試用期間でも社会保険の加入については他の労働者と同じ扱いなので、雇用保険や厚生年金、健康保険等の要件に該当すれば、それぞれ社会保険の被保険者となります。

 

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試用期間満了後の採用拒否

試用期間満了後に採用拒否をする場合も法律上は解雇になります。

試用期間であっても14日を超えた場合は、企業は解雇予告が必要です。

企業が解雇をする場合には30日前に通知が必要で、それよりも短いときは手当の支払いが必要になります。

 

試用期間満了後の採用拒否が認められるには、次の条件を満たす必要があり、認められない場合は解雇権の濫用として無効になるとされています。

・客観的で合理的な理由がある

・社会通念上相当であると認められる

 

採用拒否が認められるケース

・勤怠不良、命令違反を改善しない

・能力不足で改善の見込みがない

・採用時に知ることができなかった事実によって雇用を継続することが適当でない場合

 

試用期間が本採用後よりも解雇しやすいとはいえ、実際は世間一般でいわれてるほどではありません。

能力が少し劣るくらいで本採用拒否された、というようなケースは多くあり、裁判に発展したケースも多いです。

企業は、試用期間中の労働者がたとえ極度の勤怠不良であっても、本採用拒否するには研修を行ったり、何度もアドバイスをすることが求められます。

何度も繰り返しても改善が認められない場合でないと、本採用拒否が違法と判断される可能性が高いようです。

 

 

試用期間満了後の採用拒否が争われた判例

三菱樹脂事件(最判昭48年12月12日)

空調服事件(東京高判平28年8月3日)

 

おわりに

内定期間と試用期間といった期間であっても、そう簡単に取り消しや本採用拒否はできません。

 

コロナの影響で不況が騒がれていますが、中には採用を強化して拡大している企業はあります。

ブラック企業にこだわって時間を浪費するよりも、新しいスタートをきった方が精神的にはよいこともあります。









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